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フェアトレードの可能性

フェアトレードとは、関係する人や社会の発展に資する公正な取引のことです。
元は、欧米によるアジア・アフリカの植民地化と搾取に端を発するコーヒーなどの産品の貿易につきまとう問題点の是正を主眼においた概念だと思います。
また、植民地支配と直接的な関係がなくても、貿易とは基本的に搾取の一面をもつという議論もあります。そこに注意を払って、健全な社会経済の維持に資する取引をしよう、という考え方です。

この考えを敷衍すれば、貿易ではなく国内の取引でもフェアトレードが成り立つのではないか。たとえば、フェアトレードの野菜であれば、生産にかかわる人や土地について想像したり、実際によく見聞きして知ることができる。命に感謝だとか安全・安心ということを抽象論で終わらせず、フェアトレードという制度によって担保できる。これは消費者にとって特別な価値をもつことではないだろうかと思います。

そんな思いから、フェアトレードについて少し勉強したいと思いつつ過ごす昨今、ある取り組みを知りました。

林美香子氏が代表を務める「スローフード&フェアトレード研究会」、北海道庁農政部の委員会の一つです。

北海道庁 農政部 食の安全推進局食品政策課 発行のメールマガジン 「食の安全・安心インフォメーション~北海道スローフード&フェアトレード」 http://www1.hokkaido-jin.jp/mail/magazine/ というものもあります。

また、この委員会が関わる「北海道のスローフード運動―胎動の記録―」 という講演記録の書籍もあるようです。

調べてみたいと思っていますが、この取り組みではスローフード&フェアトレードと称する一方で、フェアトレードの方への言及が少ないのではないかという感じもします。
しかし、林美香子さんがはっきりと国内フェアトレードに言及していたことは衝撃でした。

知ったきっかけはこの本。北海学園大学経済学部コープさっぽろ寄附講座を書籍化したもので、北海道伊達市の菊谷秀吉市長の講演も収録されていたため手に取りました。
菊谷秀吉市長のパートでは、ときに話題となる伊達市政の成り立ちに触れられていて、関心がある方は必見です。


北海道の将来を展望する I―北海学園大学経済学部コープさっぽろ寄附講座 収録
コープさっぽろの理念・事業、活動から将来を語る(松村喬)
日本における北海道の役割・総合計画と取組(高橋はるみ)
都市と農漁村の共生―北海道におけるグリーンツーリズム(林美香子)
日本の食糧問題と北海道農業の可能性と展望(矢野征男)
北海道観光の可能性と新しい地域活性化を目指して(ヒロ中田)
卸・小売業―地域生き残り戦略について(平公夫)
地方都市での地域発展の取組み―高齢化社会への提案(菊谷秀吉)
北海道発展における札幌市の役割・責任(上田文雄)
北海道における一次産業とのコラボレーションと製造業の役割(高野瀬忠明)
北海道におけるプロスポーツと地域振興(児玉芳明)
北海道経済全体の動向と発展と可能性(高向巖)
「連」、つながりを生かして 講座のまとめ―(大見英明)


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